SUPER GT 2019

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カルソニック IMPUL GT-R、緊急事態のレースで完走

2019.09.08
SUPER GT Round 6 AUTOPOLIS GT 300km RACE

2019年SUPER GTシリーズ第6戦は9月7~8日に大分県のオートポリスにおいて300kmレースとして開催。カルソニック IMPUL GT-Rは、ドクターストップのかかったジェームス・ロシターに代え千代勝正を起用して15番グリッドからスタート。参加確認終了後のドライバー交代のためにペナルティストップ10秒を消化。途中の降雨で混乱したレースでは、ルーティーンピットストップ後は運悪く周回遅れとなったこともあり、12位でレースを終えた。

九州地方はしばらく天候不順が続いていたが、このレースウィークも不安定な天候は続いた。ススキの穂が出始めた阿蘇外輪山のオートポリスは、阿蘇中岳の噴煙も風に乗ってうっすらとコースに舞ったようで、路面が滑りやすいというドライバーの声も出るほどだった。心配された台風13号の影響もほとんどなく、7日のピットウォークでは8月25日に36歳の誕生日を迎えたロシターのバースデーセレモニーが行われた。この時点でロシターは耳に変調をきたしていた。

35kgと比較的軽量なハンディウェイトであるカルソニック IMPUL GT-Rは、7日朝の公式練習ではトップと1秒510差の1分35秒721で11位。どうもハンドルを切ったよりもクルマが曲がらないアンダーステアが強いとのドライバーコメントで、公式予選ではセットアップを変更して臨んだ。Q1を担当したのはロシターだったが、トップと2秒214差の1分36秒629で15位にとどまり、これでGT500クラス最後尾スタートが確定した。「公式練習よりバランスが悪くなりリヤが全くグリップしませんでした」とロシターは肩を落とした。

その日の夕方、ロシターは大事を取って耳鼻科を訪れたが、診断の結果、レース中に目眩がする可能性があるということでドクターストップがかかった。チームはミーティングを行い、テレビ中継のピットレポーターとして現地入りしていた千代を呼び、競技会審査委員会にドライバー交代の嘆願書を提出。決勝レース前のウォームアップ走行の結果を見て最終判断されることとなった。そのウォームアップ走行で昨年の最終戦以来となるGT500のGT-Rをドライブした千代は、2番手となるタイムをマーク。正式に決勝レースへの出場が決定となった。なお、参加確認終了後のドライバー交代となったことから、レース中にペナルティストップ10秒が科せられることとなった。

グリッドウォークではカルソニックカンセイの森谷弘史会長が星野一義監督を表敬訪問。またカルソニックブルーのレーシングスーツを初めてまとった千代と佐々木大樹を激励した。サーキットにはカルソニックカンセイの関連会社であるカルソニックカンセイ九州の役員、社員らも多く詰めかけた。

黒い雲は多いものの晴れ。気温27℃、路面温度33℃というコンディションの14時37分に、65周の決勝レースがスタートした。ステアリングを握るのは佐々木で、オープニングラップで1台をかわした。その周にクラッシュした車両があり、3周目にセーフティカー(SC)が導入となった。6周終了でバトルが再開されると9周目にはもうひとつ順位を上げた。予選後に変更したセッティングが決まっているようだ。しかし事前に通告されていたペナルティストップの指示が出て、佐々木は11周でピットインしてこれを消化。順位は14位へと下がることとなった。しかし佐々木はトップ車両に負けないラップタイムを叩き出しながら周回し、19周目と22周目にそれぞれ順位を上げて12位へポジションを戻した。

15周を過ぎたあたりから1コーナー周辺に雨がポツポツと落ちてきて、数周後には大粒の雨へ。30周目あたりではピット前のストレートや第2ヘアピン周辺でも大粒の雨となった。折り返しを過ぎた34周目に第1ヘアピンでクラッシュした車両があり、SC導入を予想した多くの車両が一斉にピットイン。ピットレーンは大混雑となった。ここで佐々木もピットインし千代に交代。スリックタイヤへの交換と燃料補給をしてピットアウトしようとしたが、目の前にいたGT300車両に引っかかってスムーズに出ることができず、トップ車両の直後でレース復帰。これでトップから周回遅れとなったのは不運だった。

40周終了でバトルが再開したが、千代はリスタート時の1コーナーで水に乗ってコースオフし、順位を3つ落とすこととなった。43周目にはジェットコースターストレートの先で濡れた路面でスピン&コースアウトした車両があり、ここで3回目のSC導入となった。49周終了でバトル再開。千代はピットインしてレインタイヤに交換して再びコースへ。しかしその後は雨は上がりレインタイヤでは苦しいレースとなったが、終盤には1台をかわし12位となり64周でチェッカー。完走したことでチームポイントを加算した。

佐々木大樹

「ペースはすごく良く、すごい勢いで前に!追いついていけました。公式練習と比べて、いいクルマに仕上げてもらいました。本当は雨が降らずスリックタイヤでレースをつなげられればもっと良いレースになったと思うので、雨に見舞われたのは残念でした。千代さんと組むのは(GT)300の3号車(2012年第6戦富士)以来なので久しぶりでした。ジェームスが欠場しレースに出られないかもしれないという中で、千代さんがしっかり乗ってくれてレースを完走できましたし感謝しています。ジェームスも早く元気になって、また一緒にレースを戦えたらいいなと思います」

千代勝正

「今朝連絡をもらいました。今年は(GT)500に乗ってはいませんが、いつでも乗れるようトレーニングやシミュレーションをしていたので、ウォームアップで感覚をつかむことはできました。ドライバー交代の時にトップから周回遅れになってしまったのは残念でした。雨がひどくなったのでピットインしてレインタイヤに交換したら、今度は晴れてくると言うちぐはぐさもありました。そこそこでスピードは見せられたと思いますが、全体が噛み合いませんでした。クルマは調子良くてドライコンディションであればもっと順位を上げられたと思います。ロシター選手の容体が心配ですが、チャンスをいただけたチームには感謝しています」

Race Data
  • 予選 15位 決勝 12位
  • 天候 曇り-雨 ドライ-ウエット 気温27℃ 路面温度33℃(14時30分)
  • 観衆: 総入場者数 2万7,310人
  • ドライバー部門:佐々木大樹 / ジェームス・ロシター11位(17.5点)
  • チーム部門:11位(31.5点)
AUTOPOLIS
  • オートポリス

    大分県日田市
  • コース全長

    4.674km
  • FIA国際公認

Circuit Data

1990年に阿蘇外輪山にオープン。全日本F3000や世界選手権も開催された。GTは1999年にオールスター戦を実施。2003年よりほぼ毎年レースが開催されるようになり定着した。なだらかな斜面の緑を縫うようなレイアウトで、アップダウンにも富む。またドライバーにもチャレンジングなコースだと評価も高い。ピットビルは他のサーキットと異なりコースの外側に設置されるため給油口が逆側となる。 サーキットは外輪山にあるため、しばしば問題になるのはウェザーコンディション。天候に恵まれれば緑豊かなコースが一望できるが、深い霧がコース全体を覆うことも多々あり、セッションの中断や中止も起きやすい。またタイヤに負担のかかるコースでもあり、ドライバーにはタイヤマネジメントが要求される。2016年は熊本地震で施設の一部が被災したが復旧。日産車は2004、06、08、11、12、14、15年と優勝しており得意なコース。